本剤(キプレス®錠5mg/錠10mg)の薬物動態において、フェノバルビタールと本剤との併用により本剤のAUC0-∞が減少しました。一方、テオフィリンと本剤との併用によりテオフィリンの血漿中濃度の低下が認められました。
[解説]
本剤の薬物相互作用の結果は、以下のとおりである。
◆フェノバルビタール
健康成人にフェノバルビタール100mg(14日間反復)を経口投与したとき、モンテルカストフィルムコーティング錠10mg(単回)を経口投与により併用するとモンテルカストのAUC0-∞は約40%減少した(外国人データ)1)。
◆テオフィリン
健康成人にモンテルカストカプセル剤を高用量(200mg注)を1日1回6週間反復あるいは1日3回8日間反復)で経口投与し、テオフィリンの経口投与(250mg単回)あるいは静脈内投与(5mg/kg単回)を併用したとき、血漿中テオフィリン濃度の低下が認められたが、モンテルカストフィルムコーティング錠10mg(10日間反復)の経口投与とテオフィリン5mg/kg(単回)の静脈内投与の併用では血漿中テオフィリン濃度の変化は認められなかった(外国人データ)2)。
◆プレドニゾン/プレドニゾロン
健康成人にモンテルカストカプセル剤200mg注)(6週間反復)とプレドニゾン20mg(単回)を経口投与により併用したとき、プレドニゾンのAUC0-∞がプラセボ群と比較して有意に低下したが、同一被験者のモンテルカストカプセル剤200mg注)投与前後の比較では変化はなく、活性代謝物であるプレドニゾロンの薬物動態も変化はなかった。また、健康成人にモンテルカストカプセル剤200mg注)(6週間反復)とプレドニゾロン20mg(単回)を静脈内投与により併用したとき、プレドニゾン及びプレドニゾロンの薬物動態はいずれも影響を受けなかった(外国人データ)。
◆経口避妊薬(エチニルエストラジオール35μg/ノルエチンドロン1mg)
健康成人にモンテルカストカプセル剤100mg注)(8日間反復)と経口避妊薬(エチニルエストラジオール35μg/ノルエチンドロン1mg単回)を経口投与により併用したとき、エチニルエストラジオール及びノルエチンドロンの薬物動態はいずれも影響を受けなかった(外国人データ)3)。
◆ジゴキシン
健康成人にモンテルカストフィルムコーティング錠10mg(7日間反復)とジゴキシン0.5mg(単回)を経口投与により併用したとき、免疫反応性ジゴキシンの薬物動態は影響を受けなかった(外国人データ)4)。
◆ワルファリン
健康成人にモンテルカストフィルムコーティング錠10mg(7日間反復)とワルファリン30mg(単回)を経口投与により併用したとき、ワルファリンの血漿中総薬物濃度は影響を受けなかった。また、プロトロンビン時間への影響もなかった(外国人データ)5)。
注)本剤の用法及び用量は、「<気管支喘息>通常、成人にはモンテルカストとして10mgを1日1回就寝前に経口投与する。<アレルギー性鼻炎>通常、成人にはモンテルカストとして5~10mgを1日1回就寝前に経口投与する。」です。
[関連FAQ]
- 電子添文(16.7項)[2024年5月改訂(第2版)]
- 解説;電子添文(16.7項)[2024年5月改訂(第2版)]
References
- Holland, S. et al. :Clin. Pharmacol. Ther. 1998 ;63 :231
- Malmstrom, K. et al. :Am. J. Ther. 1998 ;5 :189-195(PMID:10099058)
- Schwartz, J. et al. :Clin. Pharmacol. Ther. 1997 ;61 :162
- Depré, M. et al. :J. Clin. Pharmacol. 1999 ;39 :941-944(PMID:10471986)
- Van Hecken, A. et al. :J. Clin. Pharmacol. 1999 ;39 :495-500(PMID:10234597)
2024/5/8