本剤(ペンタサ®注腸1g)の有効成分であるメサラジンの血中濃度は、以下のとおりです。
◆単回投与
潰瘍性大腸炎患者9例にメサラジン注腸剤100mL(メサラジンとして1g含有)を単回経直腸投与したとき、血漿中未変化体及び代謝物であるN-アセチルメサラジン(アセチル体)は投与後3時間にそれぞれ0.35μg/mL(中央値、範囲0.1~1.77μg/mL)及び0.55μg/mL(中央値、範囲0.33~1.49μg/mL)のCmaxに達しました(外国人データ)1)。
◆反復投与
- 潰瘍性大腸炎患者16例にメサラジン注腸剤100mL(メサラジンとして1g含有)を1日1回10日間経直腸反復投与したとき、投与開始9日目の血漿中メサラジン未変化体及びアセチル体は投与3時間後にそれぞれ0.29μg/mL(中央値、範囲0~0.94μg/mL)及び0.71μg/mL(中央値、範囲0.26~2.88μg/mL)のCmaxに達しました(外国人データ)1)。
- 健康成人にメサラジン注腸剤100mL(メサラジンとして1g含有)を1日1回7日間経直腸反復投与したとき、投与開始7日目の血漿中メサラジン未変化体及びアセチル体の薬物動態パラメータは下表のとおりでした。また、未変化体及びアセチル体の尿中排泄率はそれぞれ投与量の1.31%及び19.12%で、尿中総排泄率は20.44%でした(外国人データ)2)。
表 メサラジン注腸剤100mL(メサラジンとして1g含有)を1日1回反復投与7日目の薬物動態パラメータ
測定対象物 |
投与量 (メサラジンとして) |
例数 |
Tmax (min) |
Cmax (μg/mL) |
AUC (μg・hr/mL) |
---|---|---|---|---|---|
未変化体 |
1g |
18 |
121.2±80.4 |
0.709±0.464 |
5.48±4.04 |
アセチル体 |
1g |
18 |
194.6±54.3 |
1.122±0.460 |
12.12±6.17 |
平均値±標準偏差
- 電子添文(16.1項)[2024年5月改訂(第4版)]
- インタビューフォーム(VII.1.(2)臨床試験で確認された血中濃度)[2024年5月改訂(第20版)]
References
- Bondesen, S. et al. :Scand. J. Gastroenterol. 1984 ;19 :677-682(PMID:6382570)
- 社内資料 :メサラジン注腸(1g)における吸収量(2002年10月8日承認、申請資料概要へ-3.(2)3))
2025/1/6