本剤(ジムソ®膀胱内注入液50%)の有効成分であるジメチルスルホキシド(DMSO)の代謝と排泄の経路は、以下のとおりです。
◆代謝
10%ジメチルスルホキシドを静脈内持続投与注)したときのヒトの血漿及び尿中には、ジメチルスルホン及びジメチルスルフィドが存在しました1)。
◆排泄
- 日本人健康成人男性6例にジムソ膀胱内注入液50%50mL(ジメチルスルホキシドとして27g)を単回膀胱内投与後15分に膀胱から回収された回収液には、ジメチルスルホキシドが83.7%(6例の平均値)含まれていました2)。
- 外国人健康男性1例にジメチルスルホキシドを0.5g/kg/日14日間反復経口投与したときのジメチルスルホキシド及びジメチルスルホンの24日目までの累積尿中排泄率は53.7%及び17.2%でした3)、4)。
- 外国人健康男性1例に50%35S-DMSOを2.0g/body単回静脈内投与後の35S-DMSOは、投与後8日までに約80%が尿中へ排泄され、投与後18日には尿中へ完全に排泄されました2)、5)。
注)本剤の承認された用法及び用量は「通常、成人には50%(w/w)ジメチルスルホキシド溶液を1回あたり1バイアル50mL(ジメチルスルホキシドとして27g)、2週間間隔で6回膀胱内に注入する。なお、膀胱内注入後、可能な限り15分間以上膀胱内に保持してから排出させる。」です。
[解説]
◆代謝
外国人末梢血幹細胞移植患者10例に 10%(w/w)ジメチルスルホキシド(ジメチルスルホキシドとして19.8~64.4g)を静脈内持続投与したときのヒトの血漿及び尿中には、ジメチルスルホン(DMSO2)及びジメチルスルフィド(DMS)が存在した1)。
図 代謝経路
ジメチルスルホキシドをヒトに対して経口、静脈内及び経皮のいずれの投与経路にて投与しても、血液及び尿中にはジメチルスルホンが確認された1)、4)。10%(w/w)ジメチルスルホキシドをヒト静脈内持続投与1)したときの血漿及び尿中、35S-DMSOをヒト経皮投与5)したときの呼気中には、ジメチルスルフィドが検出された。また、ジメチルスルホキシドをヒト膀胱内投与すると呼気にニンニク臭が認められた6)。
- 電子添文(16.4項)[2024年5月改訂(第4版)]
- インタビューフォーム(VII.7.排泄)[2024年5月改訂(第4版)]
- 解説;インタビューフォーム(VII.6.代謝)[2024年5月改訂(第4版)]
References
- Egorin, M.J. et al. :J. Clin. Oncol. 1998 ;16 :610-615(PMID:9469349)
- 社内資料 :全試験を通しての結果の比較と解析(2021年1月22日承認、CTD2.7.2.3)
- 社内資料 :個々の試験結果の要約(2021年1月22日承認、CTD2.7.2.2)
- Hucker, H.B. et al. :J. Pharmacol. Exp. Ther. :1967 ;155 :309-317(PMID:6025521)
- Kolb, K.H. et al. :Ann. N. Y. Acad. Sci. 1967 ;141 :85-95(PMID:5232278)
- Parkin, J. et al. :Urology. 1997 ;49 :105-107(PMID:9146010)
2024/5/23